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スキルスがんを内視鏡画像で見た写真、胃壁全体の硬化と膨隆、潰瘍部分からの出血を見ることができる。
スキルス胃がんの内視鏡画像(Wikipediaより)
特徴的な胃壁の硬化と膨隆を見る。
通常の胃癌のような火口型の潰瘍は認めない。

スキルスがんの術前化学療法として最初からS-1+シスプラチンを用いるのはわが国ではもはや定法

スキルスがんも含めて胃がんの化学療法の効果改善に大きく寄与したS-1剤。

特に術前投与によるサイズの縮小はそれまで外科的治療不能とされていた腹膜播種例の腫瘍摘出を可能とした点で画期的で、生存期間を大きく伸ばした。

そのS-1術前投与に、1980年代からの抗ガン剤の主役であるシスプラチンを組み合わせた場合の効果について、症例数を集めた検討報告が今月の胃がん学会【2010年3月3日から5日】で行われた。


結果は、S-1+シスプラチンによる術前補助療法は予想通りに好成績を残した。

対象は、1995年5月から2008年12月までに、スキルス胃癌で、術前に切除の可能性ありと診断されて集学的治療を受けた93人。

この93人は術後の他の抗ガン剤投与スケジュールなども統一して展開された症例群の比較である。


2000年6月までの29人には術前化学療法剤投与なし。

2003年9月までの20人には5FU+シスプラチン。

2003年10月以降の44人にはS-1+シスプラチン。


年代別になっていることからわかるとおり、患者を選んで実験したわけではなくて、

2000年初頭までは術前投与と言う選択肢がなかったこと、

2003年9月まではS-1がまだ厚生省に認可されていなかったことが原因である。


また、遠隔腹膜転移の患者では回復しても積極的な切除は行われていない。

その比率は上記の三群で55%、55%、64%と言うことから、術前S-1+シスプラチン群がやや進行の進んだ患者が多かったことになる。


で、結果をかいつまんで示すと、

生存期間の中央値は非NAC群が202 日、低用量FP群が322日、S-1+シスプラチン群では506日。

2年生存率は非NAC群が7%、低用量FP群が20%、S-1+シスプラチン群では30%であった。


これを切除可能例に限ってみれば、

生存期間中央値は非NAC群が271日、低用量FP群が324日、S-1+シスプラチン群では1052日であった。

2年生存率はそれぞれ10%、28%、58%ということでかなりの差が認められた。


以上のことから、現在施行されているスキルス胃がんの化学療法と手術を組み合わせた集約的な治療は以前に比べれば大幅な生存期間の延長を可能にした。

ただし、抗がん剤治療中のQOLに関して言えば、S-1がほとんど副作用なく飲み続けることができるのに対して、シスプラチンの点滴は、さまざまな制吐両方が組み合わされていると入ってもなかなかつらいものである。

患者の治療に対する意欲を失わせないように、この術前化学療法がこれまでに比べてどれほど効果的で、期待できるものなのか、きちんと説明した上で取り組むべきだろう。


posted by すきるすがん at 16:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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